「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
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悩み
毎年人間ドック(がん検診)を受け異常がなかったので、がんの診断は悔しいしショックだった。なぜもっと早く発見できなかったのか。
18 件の体験者の声があります。
- (患者本人、60代、男性、胆道・胆のう、2003年版)青天の霹靂のようなショックを受けた。希望がなくなりつらかった。毎年人間ドックを受けていたのに、なぜ手術ができないとまで言われるのかと思った。医者にも毎月定期的にかかっていたのに、なぜそうなったのかと思った。
- (患者本人、60代、男性、膵臓、2003年版)毎年人間ドックを受診してきて、早期発見できなかったのは何だったのだろうか。生存率が低いと言われている部位であり、早期発見(進行度4段階中の3段階目)でなかったことで、今まで考えてもみなかった早期の死や、後に残していく妻や子ども達の今後のことが1番気になった。
- (患者本人、60代、男性、食道、2003年版)65才まで毎年1回健康診断時に胃の透視を受けすべてにおいて異常なしと診断され安心していた。退職1ヶ月前より喉の痛みを感じ、内視鏡検査を受け噴門何がしというがんと診断され愕然とした。今までの健康診断は何だったのだろうかと残念でならない。3年~5年前からの発病と聞き、早期発見ならば全摘せずに済んだのにと返す返すも残念でならない。
- (患者本人、70代、女性、肺、2003年版)21年間毎年人間ドックに入って異状なしとのことだったのでがんの診断はすごくショックだった。
- (患者本人、70代、女性、子宮、2003年版)毎年市のがん検診に行っていたのにやっぱりと思った。どうなるのやろうと心配した。
- (患者本人、50代、女性、大腸、2003年版)過去何年となく大腸がんの検査、その他の定期的検査を受けて健康だったので、病院で診察を受け本当にがんとは信じられず何かの間違いではないかと思い続けていた。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)毎年がん検診を受けていたのに異常なしですんでいた。手術でリンパを取り、何もできなくなるのではないか。がんで亡くなった人を見ているので、ああなるのかと悩んだ。
- (患者本人、70代、男性、肺、2003年版)市の肺がん検診を受けていたのに発見されず、親、兄弟にがん患者がいないのになぜ自分が。自分ががんであることがの理解ができず頭の中が真っ白になった。
- (患者本人、50代、女性、肺、2003年版)定期人間ドックでがんを発見できなかったことへの不満がある。確定診断は手術時の生検で決定したので、その間はマイナス思考になりがちで悩んだ。
- (患者本人、50代、男性、肺、2003年版)会社で定期的診断を受けていた(レントゲンも含む)にもかかわらず、発見できず数年たったことへの疑問が残った。
- (患者本人、50代、女性、その他のがん、2003年版)人間ドックを受診しながら最低限気をつけていたのに、どうしてがんになってしまったのか。鼻腔がんに対して対処はどのようにしていたらよかったのかと悩んだ。健診の受け方や、他には転移してしまっている可能性はあるかと不安だった。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)毎年がん検診を受けているのに、なぜ医者は見逃したのか。自分で「おかしい」と思い、いつもの検診医院ではないところで検診して発見。とても悔しい。もう少し初期で見つけてもらっていればと悔やむ。
- (患者本人、60代、女性、卵巣・卵管、2003年版)卵巣腫瘍の破裂だったため、どうしてこれまで放っておいたのだろうかと悔やまれた。近くの産婦人科医院に子宮がん検診に行っていたのに。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)定期的に人間ドックを受けていたのになぜもっと早く発見されなかったのかという思いを持った。
- (患者本人、50代、女性、膵臓、2003年版)毎年健康診断もし、食事にも気をつけ体には気をつけていたにもかかわらずがんになってしまったことがとても悔しい。現在も抗がん剤治療をしているが、検査結果のデーターを聞くたび死が近づいてくるようで恐い。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)リンパ節にもがん細胞があったということ、毎年、検診を受けていたが発見できなかったということに悩んだ。
- (患者本人、70代、男性、不明、2003年版)毎年ドックに入り、3か月に1回病院で検査を受けていたが、がんは発見できなかったことに対する大きな失望と悔しさは現在も続いている。病気に対する不安、死に対する恐れとともに、医師への不信感がある。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)20年前位から毎年検診を受けていたのに、どうして見つけてくれなかったのだろう。もしかしたら違うかもしれない、違って欲しいという心境だった。
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【人間ドックや検診について】
この検査をすればすべてが分かるというものはなく、どの検査にも限界があります。ですから、人間ドックや検診を受けることで、がんが100%見つかるわけではありません。しかし受けずにいたら、もっと進行してから見つかったかもしれません。人間ドックや検診も決して無駄ではありません。
【これから先のことを考える】
病気がわかり、これから治療をしていく中で、様々なことが起こると思います。あの時のあれがいけなかったのではないかなどいろいろな思いや後悔が残ることもあります。これらの思いは、なかなか整理がつかないものだと思います。ただ、こういった思いや後悔は、過去のことへの振り返りであり、現在の状況を変えるものではありません。過去を悔やむよりも、気持ちを切り替えるようにしましょう。大切なのは、今自分にできること、まずこれから自分はどうしていったらよいのか、具体的な目標を立ててがんと上手に付き合っていくことだと思います。
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