「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの「がん相談支援センター」をご利用ください。

悩み

抗がん剤治療で、髪やまつ毛、眉毛まで抜け、人相が変わった。脱毛があると説明を受けていても、女性としてとてもショックで、つらかった。
11 件の体験者の声があります。

助言

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【抗がん剤による脱毛】

抗がん剤による脱毛は、目に見えてわかる、とてもつらい副作用です。「命にかかわることではないよ」と、周りにつらさが分かってもらえず、さらにこころが傷つけられてしまうこともあります。
脱毛の起こりやすさは、抗がん剤の種類によって違います。たくさん毛が抜ける薬、脱毛する可能性はあっても程度が軽い薬、脱毛を起こさない薬など、いろいろな薬があります。脱毛の程度の違いは、基本的には薬の働き方の違いによるもので、がんに対する効果の強弱とは関係がありません。
抗がん剤による脱毛は、通常、治療が始まってから2~3週間目から起こります。ふつう、抗がん剤治療は何度か繰り返して行うので、この期間は脱毛が続くことになります。
脱毛することで、自分自身が変わってしまのではないか、と、不安に感じる患者さんもいます。
大事なことは、治療がすべて終了すれば、髪はまた生えてくる、ということです。また、脱毛が始まる前後に、髪の毛を短くしたり、かつらや帽子を使ったりすることで、イメージの変化をやわらげることができます。
脱毛はまったくあなたのせいではないのですし、ほとんどの場合、一時的なものです。新しい自分のイメージを探したり、ファッションを試したりするような気持ちで、肩の力を抜いて前向きに生活を工夫してみましょう。


 
【抗がん剤による脱毛の対策】

脱毛が起きやすい抗がん剤を使う場合でも、いろいろな対策があります。

1. 脱毛が起こる前にできること
医師から「抗がん剤の副作用として、脱毛が考えられます」という説明があったら、そのときから、自分でできることを準備してみましょう。
たとえば、かつらの購入を考えているようであれば、事前に自分の頭の写真をとっておきましょう(正面、側面、後ろ側)。写真を撮っておけば、かつらを購入したり、購入したかつらを整えたりするときに、今までの自分の髪型に近いものを選ぶことができます。
また、脱毛が始まる前に、髪を短く切っておいたほうがよいでしょう。髪を短くしておけば、脱毛の量も減って見えますし、髪型の印象の変化も小さくすることができます。逆に、髪が長いと、洗髪したとき抜けた髪の毛がからまってしまい、その部分を切らなくてはならないこともあります。
ヘアカラーやパーマは、刺激になります。抗がん剤の治療が終わって、また髪が生えてきたときに楽しみましょう。

2. 脱毛中のケア
脱毛が始まったら、できるだけ髪や地肌をいたわるようにしましょう。
脱毛中は、頭皮も敏感になっています。低刺激のシャンプーを使い、こすらずに、優しく洗い流すようにしましょう。
リンスやトリートメントは、基本的に髪に対して使用するものなので、頭皮を中心に洗い流すときは、お湯や低刺激のシャンプーだけでもよいのです。
ドライヤーも刺激になるので、できるだけ控え、かけるときは冷風にしましょう。
育毛剤も刺激になりますので、脱毛中は使わないようにしましょう。抗がん剤治療が終われば、髪は自然に生えてきます。


 
【髪の毛以外の脱毛の対策】

脱毛は髪の毛だけではなく、眉毛・まつ毛・鼻毛などの体毛にも起こります。
鼻毛がないと、鼻の中が乾燥し粘膜がいたみやすくなるため、外出時などはマスクなどを使用するとよいでしょう。
眉毛は、眉ずみなどで描くとよいでしょう。まつ毛がないと眼にごみが入りやすいため、注意しましょう。


 
【かつらや帽子による脱毛対策】

かつらや帽子は、抗がん剤治療による一時的な脱毛の対策として重宝します。気軽に使えるスカーフやバンダナも役に立ちます。
かつらを購入するときは、次のようなことを考えるのが大切です。

◎ 自分にあった素材を選ぶ
◎ 自分にあったスタイルを選ぶ
◎ 自分にあったカラーを選ぶ
◎ 価格を検討する
◎ 商品の機能特性を確認する

どこでかつらを購入したらよいかわからないときには、かかっている病院の看護師や相談室に相談してみましょう。それでも、もしわかる方が見つからなければ、お近くのがん診療連携拠点病院の相談支援センターに相談してみましょう。
また、かつらは、『夏目雅子ひまわり基金』などから借りることもできます。手続きや申し込みから届くまでの期間などもありますから、借りることを検討しているときは、事前にホームページで確認しておきましょう。
帽子を選ぶ場合、生え際が気になるときは、つばの広い帽子を選ぶとよいでしょう。部分的にかつらのような毛をつけたタイプのものもあります。
気軽に使えるスカーフやバンダナも便利です。いろいろな色や柄のものを、気分に合わせて使ってみてはいかがでしょう。


 

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