悩み

手術後、痛みはあるのかと不安だった。



助言


【痛みはがまんしないことが大切】


医療者の痛みに対する考え方は、近年、大きく変化してきました。痛みがあったり、痛みについて不安を感じたりする時には、遠慮しないで、担当医や看護師に相談してみましょう。
ご質問の手術後のことについてですが、通常は、痛みでつらい思いをしなくて良いように、ほとんどの方の痛みを十分に抑えられる量の痛み止めの薬が処方されます。
ただ、痛みに対する感覚には個人差があります。処方された分量の痛み止めをきちんと使っても、痛みが十分に取れない、と感じた時には、がまんせず、医師や看護師に伝えましょう。“痛み止めを使うと病気の治りが遅くなる”というのは、根拠のない通説にすぎません。
医師や看護師がベッドサイドに様子を見に来たときには、「痛みはどうですか?」と、きっとたずねてくれるはずです。自分が感じていることを、正直に、ありのままに伝えましょう。
もう一つ、とても大切なことは、聞かれるのを待つだけでなく、痛みがあるときには、自分の方から積極的に医療者に伝えることです。
長年、痛みをがまんすることを美徳とする風潮があったために、“この程度の痛みはがまんしないと”と思い込んでしまう患者さんも多いようです。ですが、痛みをがまんすることは、ストレスや疲労の原因になります。
あなたの痛みが正確にわかるのは、あなただけだということを、どうか忘れないでください。


 

【手術について不安が残っていれば、担当医に相談する】


手術に関して、よくわかっていなかったり、まだ不安な点が残っていたりするのであれば、担当医に話をする機会を作ってもらいましょう。
担当医と話をする時には、できるだけ、家族や親しい友人など、信頼できる人に同席してもらいましょう。
メモをとりながら、担当医の説明を注意深く聞き、分からないことがあれば、そのつど質問して確認するようにします。
きちんとメモを取る自信がなければ、レコーダーを持参し、担当医の許可を取った上で録音する、という方法もあります。
特に、あなたが気になっている痛みについては、きちんと聞いてみてください。あらかじめ、“痛みが出た時にはどういった対処を考えているのか”、“一般的にはどのくらいで回復するのか”といった気がかりを、思いついたときにメモに書きとめて、準備しておくとよいでしょう。
担当医にすぐに話をするのが難しいようであれば、まずは看護師に相談してみるのもよいと思います。


 

【自分で痛みを評価して人に伝える】


痛みがどれほどつらいかは、本人でなくては、なかなかわからないものです。痛みの治療の第一歩は、あなた自身が痛みを評価して、医療者に伝えることです。
ただ、痛みは主観的な感覚なので、ほかの人にわかりやすく表現するのが難しい、ということも事実です。
そんな時には、次のように整理しながら話すと、相手に伝わりやすくなります。箇条書きのメモを作っておいて、診察に持参したり、担当医に手渡したりするのもよいでしょう。
○ 『どういうときに痛みが強くなるのか』
○ 『どのあたりが痛むのか』、『言葉で表現するとどういう痛みなのか』(きりきり、ずきんずきん、ずしーんなど)、『痛み止めを使っているとしたらその効果はどうなのか』
○ 『どのくらいの強さで痛むのか』(「全く痛くない」を「0」とし、「耐えられない程痛い」を「10」とした場合、数字でいくつと表現できるか)
○ 『日常生活で困っていることは何か』


 
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