「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
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どの病院や医師がよいかの選択

これから治療を受けるためにはどの病院や医師がよいか選択に悩んだ。
35件の体験者の声があります。
診断後、ショックを受けたまま、病院、治療の選択をしなくてはならず悩んだ。
3件の体験者の声があります。
今後がんが再発・転移したとき、どのように病院・医師を選べばよいか悩んでいる。
2件の体験者の声があります。
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助言

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どのような病院や医師を信頼できるか、という基準は、人によって差があります。
病院について考えてみると、建物が新しく、掃除が行き届いているような病院をきちんとしていると感じる方もいれば、建物よりも症例数や実績が気になる方もいるはずです。
医師についても、人柄がよく、説明が上手な医師を信頼できると感じる方もいれば、専門的な知識や技術をどれだけ身につけているかが知りたい、という方もいると思います。
こういった情報の一部分は、インターネットなどを通じて調べることができます。

【医療機関(病院)について】
がんの治療は、がん専門病院でないと受けられないということではありません。高度な専門的な知識や技術が必要な場合など、がん専門病院や大学病院が適していることもありますが、一般の病院でもがんの治療は行われています。
また、がん専門病院や大学病院では、一般病院での治療が難しい患者さんも多いため、予約待ちの期間があったり、外来診療も待ち時間が長く1日がかりになってしまったり、入院待機期間が長くなってしまいがちです。
一方で、できるだけ自宅から近い病院にかかりたい、今までかかったことがあり、信頼している先生に診てもらいたいと考える人もいるはずです。
つまり、自分がどういう基準で病院を選ぶかで、検討する医療機関も異なってくるのです。

国立がん研究センターが提供している『がん情報サービス』で調べられる『がん診療連携拠点病院』は、設備も含めてがんの診断や治療を行う環境が整っているかどうか審査検討された上で、指定をうけています。『がん診療連携拠点病院』は、専門的ながん医療の提供(集学的治療の提供体制、標準的治療等の提供、緩和ケアの提供体制、セカンドオピニオンの提示体制、専門的な知識や技術を持つ医療者の配置など)、患者・家族・地域住民に対する相談支援や情報提供等を行なっています。

また、最近では、主だった病院のほとんどはホームページを開設しています。病院によっては、フロアや病室の様子、各診療科の治療内容、治療の実績などについて掲載している場合もあります。


【医師について】
医師については、『専門的な知識や技術を身につけている』という点では、学会などが認定している専門医や認定医の資格が一つの目安になります。専門医や認定医がどの病院にいるかは、各学会のホームページなどから調べることができます。
ただ、十分な知識や技術を持っていても、時間的な制約などから、認定を受けていない医師もたくさんいます。自分の担当医が認定を受けていないというだけで、不安や不信を感じる必要はないでしょう。

がんの治療は長期になることもあり、自分が安心できる病院や医師を探すことは大切なことです。
その反面、病院や医師に理想を求めすぎると、探すのに時間がかかり、場合によっては、治療の機会を逃してしまうことにさえなりかねません。

医師は、病気の治療のパートナーではありますが、人生のパートナーではありません。
多少気になるところはあっても、治療のための設備や技術に満足しているのであれば、『病気を治すため』と割り切っておつきあいをしていくというのも、一つの方法です。
もう一つ、医師とのおつきあいの中で気をつけたいのは、たった一つの出来事や言葉のすれ違いがあったために、それまで作ってきた相手との信頼関係を全部投げ出したり、諦めたりしてしまうのは、とてももったいないことだ、ということです。


がんと診断されることは、誰にとっても衝撃が大きく、そのなかで病院を選ぶことは、大変難しいことだと思います。
家族など周囲の人に相談することは、1つの方法です。相談することで、いろいろな意見を聞くことができますし、人と話すことで気持ちが落ち着き、いろいろと考えるきっかけになることもあります。ご家族の勧めた病院に決めたとしても、最終的にその病院に決めるのは、自分自身であることに変わりはありません。
また、かかりつけ医がいれば、その先生に相談してみるのも良いでしょう。どこの医療機関が良いのかアドバイスをもらえるかもしれません。


 
参考になるホームページ
(1)国立がん研究センター『がん情報サービス』
https://ganjoho.jp/public/index.html
『がん情報サービス』は、国立がん研究センターが運営するがんに関するさまざまな情報を提供するサイトです。がんの部位や診断名による解説、診断や治療、生活や療養に関する情報、制度やサービスに関する情報などの他、地域のがん情報では、都道府県別のがんに関連した情報へのリンクなどがあります。
(2)国立がん研究センター『がん情報サービス』:相談先・病院を探す
https://hospdb.ganjoho.jp/
成人や小児の相談先・病院一覧(がん診療連携拠点病院、小児がん拠点病院)が掲載されています。
(3)日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医
https://www.jsmo.or.jp/
日本臨床腫瘍学会のホームページです。『一般の皆さまへ』に、『がん薬物療法専門医について』の説明や『専門医名簿』のリスト(PDF)を確認できます。
(4)日本放射線腫瘍学会 放射線治療専門医
https://www.jastro.or.jp/
日本放射線腫瘍学会のホームページです。『一般の方』のページに『放射線治療Q&A』、『市民公開講座』、『放射線治療を知るパンフレット』など放射線治療についての参考資料があります。また、『放射線治療専門医リスト』は、都道府県ごとに確認できます。
(5)日本乳癌学会:乳腺専門医とガイドライン
https://www.jbcs.gr.jp/
日本乳癌学会のホームページです。トップページの[市民のみなさまに知ってほしい情報]から、患者さんやご家族、一般の方々向けの乳がん診療ガイドラインや乳癌学会専門医一覧など、さまざまな情報が掲載されています。


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