「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの
「がん相談支援センター」をご利用ください。
治療選択の迷い
治療方法の選択に悩む。
25件の体験者の声があります。
- (患者本人、30代、女性、乳房、2003年版)どの治療法を選ぶか迷う。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)治療方法について悩んだ。
- (患者本人、40代、男性、白血病、2003年版)治療についてどのような選択が良いのか悩んだ。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)診断を受け、治療法の選択で悩んだ。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)治療方法をどうするかについて悩んだ。副作用、後遺症、再発について不安をもった。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)手術、治療方法について自分で決定しなければならないことがつらかった。
- (患者本人、60代、男性、肺、2003年版)治療法についてどうしたら良いか一人で悩んだ。
- (患者本人、70代、男性、骨、2003年版)どの治療を選ぶか悩んだ。
- (患者本人、90代、男性、口腔・舌、2003年版)どんな治療が適当か、身体が耐えられるか、家族の反応が不安だった。
- (患者本人、50代、女性、口腔・舌、2003年版)治療を受けるにあたり、一体どの治療を受けたらいいのか自分では決められずいろいろ悩んだ。
- (患者本人、不明、不明、乳房、2003年版)治療法の選択に悩んだ。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)どのような治療法が良いのかと悩んだ。
- (患者本人、30代、女性、乳房、2003年版)手術方法、リンパ廓清等、自分にとって何が最適か判断することが難しかった。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)診断されたがんには自覚症状がなく、治療方法の選択について悩んだ。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)治療法の選択に迷った。
- (患者本人、40代、女性、肺、2003年版)治療方法の選択に悩んだ。
- (患者本人、40代、女性、子宮、2003年版)まだ他によい治療法がないかと悩み、現実的な生活の問題と合わせ、治療の説明とその選択で心身ともに潰されそうだった。
- (患者本人、60代、男性、肝臓、2003年版)治療方法と身体の苦痛について心配した。
- (患者本人、不明、不明、乳房、2003年版)治療法の選択に悩む。
- (患者本人、60代、男性、前立腺、2003年版)治療方法の選択に悩む。
- (患者本人、50代、男性、食道、2003年版)治療期間、治療方法、がんの進行度について悩む。
- (患者本人、60代、男性、前立腺、2003年版)適切な治療方法の選択に悩む。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)治療方法について迷った。
- (患者本人、40代、女性、卵巣・卵管、2003年版)手術前にがんであると予測がついていたが、今後の治療方法について心配した。
- (患者本人、30代、女性、乳房、2003年版)自分が納得できる治療方法を探すのが大変だ。
手術、放射線、薬物の3つの治療方法を提示され、どの治療も一長一短で悩んだ。
19件の体験者の声があります。
- (患者本人、70代、男性、食道、2003年版)治療の説明で、2つの治療方法からの選択を提示され、外科手術か放射線治療+抗がん剤治療か、副作用・後遺症の心配もあり、治療法の選択で悩んだ。
- (患者本人、70代、男性、胃、2003年版)外科手術が良いのか、薬物療法、放射線治療が良いのかと悩んだ。
- (患者本人、70代、男性、咽頭・喉頭、2003年版)抗がん剤による治療か手術による治療か迷い、それで完全に治療ができ後日後遺症がないのか不安だった。
- (患者本人、70代、女性、口腔・舌、2003年版)手術をすると頬を切り傷跡が残る、放射線では頬から照射することになる、と言われ、治療方法を手術と放射線のどちらにするかで悩んだ。
- (患者本人、50代、女性、口腔・舌、2003年版)外科手術、放射線療法、どちらを選択すべきか自分で決めなければならなかったこと、しかも早期での決断は迷いが生じた。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)放射線治療か外科手術かで迷った。
- (患者本人、70代、男性、前立腺、2003年版)外科手術、放射線治療のどちらを選択するか悩んだ。
- (患者本人、70代、男性、食道、2003年版)治療方法の選択で、放射線治療にするか外科手術にするか悩んだ。
- (患者本人、60代、男性、前立腺、2003年版)がんの診断が出た後、手術するか、放射線治療にするか、治療方法の選択に悩んだ。
- (患者本人、70代、男性、咽頭・喉頭、2003年版)外科手術か放射線治療にするか判断に迷った。
- (患者本人、70代、男性、前立腺、2003年版)医師から治療法に手術か放射線、薬物の3治療があるがどうするかと言われ、どの治療も一長一短で大変悩んだ。
- (患者本人、60代、男性、食道、2003年版)放射線治療と手術の選択で悩み、どちらが良いか家族と相談し手術を選択した。
- (患者本人、70代、男性、食道、2003年版)治療法の選択で、医師からいろいろな方法について説明があり、標準的治療の外科手術による摘出を勧められたが、治療後の生活の質から放射線治療を決断した時主治医との人間関係で悩んだ。
- (患者本人、50代、男性、食道、2003年版)治療方法で、外科手術か薬物、放射線治療か、どれにするか1番悩んだ。外科手術に対する恐怖心が強かった。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)手術、放射線治療終えた後、ホルモン療法にするか、抗がん剤治療にするかで悩んだ。外科の医師はいつも忙しそうで診察時間も短く、その分放射線科の医師が話を聞いてくれて助かった。
- (患者本人、30代、男性、骨、2003年版)薬物療法か放射線治療か治療法をどうするのか悩んだ。
- (患者本人、70代、男性、その他のがん、2003年版)治療方法として、抗がん剤、放射線、外科手術と三者択一を求められ、抗がん剤は医師の説明で除外し、放射線か手術かを自分で決定するのに、正直医師でない素人の患者が選択しようにも知識がなく、悩みながら手術を選択したが、医師または第三者の意見を聞く機会があればと思う。
- (患者本人、70代、男性、食道、2003年版)外科手術、放射線治療、抗がん剤治療、選択に大分悩み、手術と決めたら気が軽くなった。
- (患者本人、60代、男性、肺、2003年版)抗がん剤、放射線、手術、どの治療法にするか。
乳房切除手術か乳房温存療法かで迷った。
17件の体験者の声があります。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)温存療法で本当に大丈夫か。再発したら全摘が良かったと後悔してしまうのではないか。でも切除したら入浴のたびに落ち込み、立ち直れないのではないかと悩んだ。どの病院、どの医師に手術してもらったらいいか、どうやって情報を集めたらいいか悩んだ。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)ショックで落ち込んだ後現実に戻り、全摘にするか温存にするか、それにより再発はどうなるのか悩み調べたり相談したりした。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)乳房切除か温存療法をとるかで迷ったが結局温存した。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)乳房切除か温存療法をとるかで悩んだ。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)医師には全摘で筋肉も切除する方法を提案されたが、温存手術を希望した。手術前日まで悩んだ。温存にして満足しているが主治医との関係がギクシャクした。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)手術の方法を全摘か温存か選択するのに悩んだ。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)以前、友人が同じ乳がんで全摘しており、温存か全摘かで悩んだ。
- (患者本人、不明、不明、乳房、2003年版)乳がんの知識が全くなく、医師から温存療法と乳房切除とどちらを選ぶか自分で決めるよういわれ悩んだ。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)どういう治療法を選ぶか。温存治療を受けるにはどこの病院へ行ったら良いか、診断された病院は転院を快く承諾してくれるか心配だった。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)温存の可能性について全摘する前に迷った。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)告知された乳がんの事実をすぐには受け入れられないことに加え、温存か全摘かの治療方法で迷った。主治医の説明や自分で調べて温存を希望したが、身内に全摘を勧めるものがいてそのたびに自分の気持ちが揺らいだ。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)全摘か温存か治療方法の選択を迷った。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)医師から乳房を全部取るか残すか決めなければならないと言われ、自分で決めるのが大変だった。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)治療方法の選択で全摘か温存かで迷った。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)温存と全摘でどちらが自分にベストなのか分からなかった。
- (患者本人、70代、女性、乳房、2003年版)乳房切除か部分切除か治療方法の選択に悩んだ。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)乳房の全摘か、一部摘出かの選択をしなければならずつらかった。
すべて表示する>>
助言
自分の助言集をつくる
EPUB形式でダウンロード
印刷用表示
治療の選択で迷う理由は、さまざまです。 未知の治療に対するマイナスイメージ(たとえば、抗がん剤イコール吐く、髪が抜けるなど、放射線治療イコール放射線はからだに悪いという言葉のイメージ、手術の危険性など)や恐れ、医師からの説明に対する理解不足、マスメディアやインターネットによる不正確な情報による混乱や戸惑い、家族や周囲の人々との意見の不一致、これまで他の病気やけがをしたことがあっても、あまり自分で治療を選択したという意識はなかったなかで、自分で治療を決める事への戸惑いなどです。
【病気や治療の説明を聞くときの注意】
治療を選択する前提として、まず自分の状況(病気の状況、全身状態、提示された治療など)について、どのように説明を受けたのか、どのようになっているのか等を十分に理解することが重要です。
検査等がひととおり終わると、担当医から病気や治療の説明があると思います。多くの場合、医師や看護師のほうから、「次回は、どなたかご家族と一緒に来てください」と声をかけられることもあるでしょう。
このような場合の注意点は、以下の通りです。
1. 医師から病気や治療の説明を受けるときは、家族や親しい人に同席してもらいましょう
これは、心強さという面もあります。医師の前ではほとんどの方が緊張します。特に診断結果や治療について説明を聞くときには、内容によっては激しいショックや動揺が起こります。このようなときに、医師の説明のすべてを理解するというのは難しいものです。また、説明でよくわからないことがあっても、そのまま聞き流したり、説明が音としては耳に入ってくるのに後で思い返すと全く覚えていないということもあります。
2. メモをとるようにしましょう
医師の説明を聞くときには、メモを用意し、重要だと思ったことなどをメモしましょう。説明を聞きながらメモをとるのは自信がないということであれば、医師に申し出て、説明を録音してもよいでしょう。ただし内緒で録音するというのは、礼儀に反し、その医師との関係を損ねる原因にもなります。録音する場合は、必ず医師に断ってからにしましょう。また、自分にその余裕がない場合には、同席する家族に要点をメモしてくれるように頼んでおきましょう。
3. わからない言葉があれば、途中でも確認しましょう
医師はなるべく患者さんにわかりやすい言葉を用いるつもりではいるのですが、無意識に専門用語を使用していることがあります。わからない言葉や内容があったら、医師の説明の途中でも、どういう意味か聞きましょう。
4. 気持ちが落ち着いてから、同席した方と、わからなかったことを確認しあいましょう
たとえ、こころの準備をしていても、その場では緊張と動揺で質問する余裕はないかもしれません。
その場合は、自宅に戻ってもう一度同席した方と話をしながら、わからなかったことを確認し、次回の外来の時などに確認しましょう。ショックや動揺が強い場合は、少し気持ちが落ち着いてからでもかまいません。
【治療を選択するときに考えること】
治療の選択を検討するときには、その治療の利点(その人自身にとって、また病気をコントロールするという点で良いこと)だけではなく、欠点(副作用、危険性、合併症の可能性、生活への影響のことなども含めて、その人自身にとって良くないこと)も含めて考える必要があります。
この利点、欠点というのは、“自分自身にとって”ということなので、たとえば『生活の質』という面を考えたときは、その人自身がどういう生活を望んでいるかによって、総合的な利点と欠点が変わることもあります。
また、治療は、どんながんの、どんな時期でも効果があるわけではありません。利点が大きな治療でも、その人のがんには適応にならない場合もあります。
医師は、がんの進み具合や臓器の状態、また患者さんのからだの全体の状況などを十分考慮したうえで、可能な治療方法を説明します。
大切なのは、いろいろな側面から検討して、実際に治療を受ける自分自身で決めることだと思います。
1. なぜその治療が提示されたのか、なぜその治療が必要なのか
担当医は、患者さんのがんの性質や進み具合、臓器の状態、体全体の状況などを十分考慮した上で、治療方法を説明すると思います。
治療を決める時には、現在の病気の状況、自分の体全体の状況を十分理解する必要があります。
2. 治療の効果
治療の効果はどのくらい期待できるのか。治療の目標はどこにあるのか。
3. 治療の副作用、合併症など。
◎ 手術であれば、合併症、後遺症の起こる可能性はどうか。
◎ 薬物療法(抗がん剤治療)や放射線治療では、どのような副作用が、いつ頃起こり、どのくらいの期間続くのか。
◎ 副作用に対して、どのような対応策があるのか。
◎ 今後の日常生活にどのような影響が出ると考えられるのか。
4. 治療のスケジュール
通院治療なのか、入院治療なのか。どういうスケジュールになるのか。
5. 治療の費用
保険適用なのか、保険適用外の自費診療になるのか。
どのくらいの費用がかかるのか(たとえば、薬物療法の場合、1ヶ月、あるいは1回の治療で)など
6. 日常生活や社会生活とのかねあい
仕事、家事や育児、趣味、自分の生き方や価値観など、自分が大切にしていたり、社会での生活の中で、治療により影響が出ると考えられることは何か。
【周りの人に話してみる】
自分だけでは整理がつかないと感じているときには、人に話してみるという方法もあります。ご家族や親しい友人でもかまいません。担当医や看護師さんでもかまいませんが、治療方針決定前は、外来なのでなかなかそのチャンスがないかもしれません。そういう場合は、かかっている病院の相談窓口や、がん診療連携拠点病院に設置してある『相談支援センター』に相談してみてもよいでしょう。人に話していくなかで、自分のなかの問題が整理できて、解決策が見つかる場合もありますし、疑問点が明確になることもあります。
【治療に対して不安があるとき】
治療方法や治療に伴う苦痛などへの不安や悩みがある場合、その根底には治療への理解が不十分であったり、未知の事柄への漠然とした不安があったりします。
その場合、まず重要なのは、納得いくまで担当医にわからない点を確認することです。
もちろん、がんや治療方法について書かれた本を読んだり、インターネットで調べたりする方法もありますが、情報の信頼性や新しさに注意する必要があることと、情報は一般的な情報になります。現在のあなたの病気と治療に関して、一番具体的な情報を持っているのはあなたに病気や治療の説明をした担当医です。
担当医に確認する際には、外来などでは時間も短いため、効率的に確認できるように、わからない点、もう一度説明してほしい点などを整理してメモ書きにしておき、そのメモを見ながら、あるいは担当医に渡しメモに沿って説明を聞くなどの工夫をしてみましょう。
インターネットや本で調べる際には、その情報が信頼できる情報かどうか気をつける必要があります。また、あらかじめ、自分のがんがどういう性質なのか、病期(病気の段階、ステージ)はどうなのかをよく理解した上で調べる必要があります。がんの性質や病期によって、適切な治療が異なる場合がありますので注意が必要です。
<情報を探す時に、注意すべき点>
◎ 情報発信者が明確になっているか
◎ 一方的に偏った情報ではないか (良いことばかり書いてある)
の2つです。
インターネットから情報を得ることに慣れていない場合や医療に関してほとんど知識がない場合は、まず公的機関が発信する情報を中心に情報を探しましょう。
【別の医師の意見を聞く セカンドオピニオン】
“早く治療法を決めなければ・・・”という思いが起こるかもしれません。けれども、治療法を決めるというのは、とても大切なことです。もし気持ちがすっきりしないのであれば、最終的に時間を少しおいて、自分の選択や思いを確認するくらいの気持ちの整理が必要かもしれません。
最近では治療法の選択に迷った時など、セカンドオピニオンを受ける方も以前より増えてきました。セカンドオピニオンというのは、直訳すると『第2の意見』で、『診断や治療方針について、現在の自分の担当医以外の医師の意見を聞き参考にすること』をいいます。
ただ、実際にセカンドオピニオンを受けるとなると、多くの場合、予約が必要ですし書類等も必要になり、予約待ちで思った以上に時間がかかることがあります。
それでも、セカンドオピニオンを受けることで、自分なりによく考えて治療を決定できたという方もいらっしゃいます。
関連する情報
ご意見・ご感想
よりよい情報提供を行うために、ご意見やご感想をお寄せください。
いただいた評価やご意見・ご感想は、今後、このコンテンツ(情報のなかみ)に役立たせていただきます。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、下記「がん相談支援センター」をご利用ください。
【がん相談支援センター】
お困りごとやご相談がある方は、
●静岡県内の方は、
静岡がんセンター「よろず相談」
もしくは、静岡県内のお近くのがん診療連携拠点病院の「がん相談支援センター」
●静岡県外の方は、
お近くのがん診療連携拠点病院の「がん相談支援センター」
にご相談ください。