「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの「がん相談支援センター」をご利用ください。

悩み

痛みが少しずつ増してきており、抗がん剤治療により骨髄の働きが悪くなってきたこと、抗がん剤が効かなくなったときのことが不安だ。
1 件の体験者の声があります。

助言

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【がんによる痛みをやわらげる方法】

がんによって起こる痛みに対して、様々な薬が用いられるようになってきています。飲み薬を基本として、貼り薬、坐薬、点滴、注射など、いろいろな薬があり、体の状態に合わせて使うことができます。
がんが原因となる痛みをやわらげる治療の基本となるのが、『WHO方式がん疼痛治療法』です。WHO方式がん疼痛治療法は、時間を決めて、痛みの強さに応じた薬を飲むことを基本とする治療法です。適切に実施すれば、8割から9割の患者さんで、がんの痛みをとることができると言われています。
がんの痛みをやわらげるために、モルヒネなどの医療用麻薬を使うこともあります。これらの薬は、担当医の指示に従って使うのであれば、安全で効果的な薬です。
痛みについて一番よくわかるのは、痛みを感じている本人です。できるだけ早く、適切に痛みをやわらげるためには、患者さん自身が、どこにどのような痛みがあるか、医師や看護師に積極的に伝えていくことが大切です。


 
【抗がん剤による白血球減少】

抗がん剤の治療中は、血液中の白血球などの数を定期的に検査します。
白血球が減少すると、からだの抵抗力が弱くなり、感染を起こしやすくなります。白血球数は、抗がん剤を投与して1~2週間後くらいに最低になります。感染症が疑われる症状としては、38℃以上の発熱、せき、のどの痛み、腹痛・下痢などです。
抗がん剤の治療中は、手洗い・うがいをする、人混みを避ける、マスクをするなどの感染症対策を行いましょう。
白血球数がかなり減少した場合には、薬の投与量を減らしたり、一時中断し、骨髄機能の回復をまって治療を続けます。高度の白血球(好中球)減少に対して、回復を早める薬を使うことで、副作用を軽くすることができるようになってきました。


 
【こころの中のつらい部分のガス抜きをすることも大切です】

最初は、“頑張って治療を受けよう”と思っていても、治療を長い間続けていると、からだのつらさだけではなくこころも疲れてきて、からだとこころのバランスを上手にとれなくなることがあります。そして、こころのつらさは少しずつたまってきます。
こころのつらさをやわらげるためにも、時々、たまったつらさを外に出してあげる必要があります。
こころのガス抜きは、つらいと感じていることを言葉に出してみることです。ご家族や友人、同病者、あるいは看護師や相談室の相談員など、話しやすい方にご自分の気持ちを話してみましょう。
誰かに聴いてもらうことで、気持ちが少し楽になる場合もあります。

また、長い期間続く治療では、『先が見えない不安やつらさ』が生じることもあります。
担当医に、
◎ 現在の自分の病状
◎ これまでの治療の効果
◎ 今後の治療のスケジュール(いつまで続ける必要があるのか)
等を確認してみましょう。
自分にとって、現在の治療はどういう意味があるのかをもう一度ご自分のなかで考え、整理してみることも大切です。医師に今後の治療の見通しを確認することで、具体的な目標設定ができ、気持ちの切り替えができるかもしれません。


 

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