「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの「がん相談支援センター」をご利用ください。

悩み

周囲の人達にどのように病気のことを話したらよいか分からなかった。
8 件の体験者の声があります。

助言

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【おつきあいや関係性への影響をまず伝える】

大前提として、病気はプライバシーに関することですから、話すかどうかはあなた次第です。
誰にでも話さなければならない、というものではありません。“この人には話しておいた方がいいな”とあなた自身が判断した相手に、あなたのタイミングで話していけばいいのです。
次にどのように話すか、ということですが、あなたがその相手に“話しておいた方がいい”と思った理由はなんでしょうか。
具体的な理由はそれぞれだと思いますが、 きっと、“病気が相手と自分のつきあいに影響するかもしれない”という可能性が生じたからではないかと思います。
病気について何から話したらよいのかわからない時には、まずはそういった、相手とのつきあいや関係性への具体的な影響から伝えてみてはどうでしょうか。
それはたとえば、『これからしばらく定期的に検査をするので、顔を出せないこともある』、『医者に言われて、食事にちょっと時間がかかるようになったんだ』といった話になるでしょう。
もし相手がもっとあなたのことについて知りたがったら、その時には改めて、その人にどこまで伝えるか考えましょう。
一度に何もかも伝える必要はありません。話せるスピードで、必要であれば何度かに分けて伝えてよいのです。


 
【がんという病名を最初に伝える必要はない】

話す順番として、必ずしも『がん』という病名をまず伝えなければならない、と考える必要はないでしょう。
その一方で、あなたが相手を心から信頼し、“病名を伝えたい、伝えた方がいい”と判断した時には、もちろん伝えてよいのです。
ただ、その時には、あなた自身が担当医から病名をはじめて聞いたときのことを少し考えてみてください。
『がん』という病名は、場合によっては、いま、あなたが予想する以上に、相手を戸惑わせてしまうかもしれません。
たとえ相手があなたのことを大切な人と考えて、支えたいと思っていても、その場では戸惑ったり、目をあわせられなかったり、言葉につまったり、安易な励ましをしてしまったりするかもしれません。
がんという病気のためにこころがとても敏感になっているあなたには、相手の反応の一つひとつに傷ついてしまうかもしれません。
しかし、時間はかかるかもしれませんが、相手はいずれ、がんという病気の有無に関わらず、あなたがあなたであることには変わりはないということに気づくはずです。
あなた自身が選んだ相手を信じて、時間をかけることが大切です。


 
【家族や相談員に力になってもらう】

病気のことをうまく伝えられるかどうか自信がないときには、家族に相手役になってもらって、伝える練習をしてみるのもよいと思います。
それが難しい時には、おかかりの病院の相談室やがん診療連携拠点病院の相談支援センターにいる相談員に相談してみるとよいでしょう。
看護師やソーシャルワーカーが務める相談員には、守秘義務があります。あなたが話した内容が外にもれてしまうようなことは決してありません。また、相談のプロですので、話している途中で、あなたがたとえ動揺したり、緊張したりしても、あなたの気持ちにきっとよりそい続けてくれるはずです。
もしかすると、病気についてどう話していいか分からない、という気持ちの裏側には、あなた自身の『病気である今の自分自身を受け入れられない』という気持ちがあるのかもしれません。
病気を受け入れることには時間がかかります。
もしも自信のなさや気持ちの落ち込みが長く続くようであれば、担当医や看護師、または『相談支援センター』や『医療相談室』の相談員に相談してみてください。


 
参考になるホームページ
(1)国立がん研究センター『がん情報サービス』:相談先・病院を探す
https://hospdb.ganjoho.jp/
がん情報サービスの[相談先・病院を探す]では、全国のがん診療連携拠点病院や小児がん拠点病院、希少がん情報公開専門病院等の一覧が掲載されていて、さまざまな条件で検索できます。病名やがんの種類、地域や病院の種類、診断や治療の実施状況、小児がん治療後のフォローアップ状況、小児がんの治療方法やセカンドオピニオンの対応状況などから探すことができます。また、成人や小児の相談先・病院一覧を見るでは、相談支援センターの名称や電話番号、病院情報などを閲覧できます。
(2)公益財団法人 日本対がん協会:がん患者・家族の支援
https://www.jcancer.jp/consultion_and_support
日本対がん協会のホームページです。『がん患者・家族の支援』のページには、看護師やソーシャルワーカーが対応している『がん相談ホットライン』、事前予約が必要な医師による面接相談、医師による電話相談、社会保険労務士によるがんと就労の電話相談などの相談に関する情報があります。詳細は、それぞれのページをご確認ください。

 

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【がん相談支援センター】
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