|
トップ |
更新日:2012/05/16
静岡県立静岡がんセンター |
||
|
|
|||
悩み
子宮がんの手術後、初回化学療法を行ったが、食欲がでず食事量も減っている。体重も減ってきて気にしているので、何か食べられそうなものを教えてほしい。
助言
【食欲不振に対する工夫のポイント】
食欲不振に対する工夫のポイントとして
◎ 食欲不振の原因が明らかならば、それを改善する工夫をする
◎ 気分のよい時に、食べられるものを食べる
◎ 抗がん剤治療に伴うからだの変化を知り、メリハリをつける
◎ 栄養補助食品を利用する
◎ 口に合う、たんぱく質豊富な食品をさがす
などがあります。
抗がん剤治療の副作用は、それぞれの薬によって起こってくる副作用が異なり、同じ薬であっても、患者さんによって副作用の程度などが異なります。また、副作用によって出てくる時期が異なり、続く期間も異なります。抗がん剤治療を受けている自分の体が、治療によりどのように変化するか、自分の場合、どういう副作用が、いつ頃でて、いつ頃まで続くのか等、メモなどとりながら整理してみましょう。
治療によって起こる体調の変化をあらかじめ理解しておくことで、予防策もたてやすくなり、副作用がやわらいでくる時期の目安を知ることで、安心感にもつながります。
そして、食事や栄養については、この体の変化に応じて、『がんばる時期』と『無理をしない時期』とメリハリを意識してみましょう。
具体的なメニューやレシピ、副作用への対応策に関しては、このサイトの『発行した冊子』にある『がんよろず相談Q&A 第3集 抗がん剤治療・放射線治療と食事編』が参考になるでしょう。また、メニューやレシピを症状に合わせて絞り込んで探したりができるインターネット上の情報提供サイトとして、『SURVIVORSHIP.JP』も参考になります。
![]() SURVIVORSHIP.JP がんと向きあってともに生きること。 http://survivorship.jp/ 静岡がんセンターと大鵬薬品工業(株)が共同で立ち上げたサイトです。治療によって生じるつらさをやわらげるくふうなどの情報があります。 ◎抗がん剤・放射線治療と食事のくふう 抗がん剤や放射線治療中の食事に役立つメニューやレシピを副作用症状に合わせて検索、閲覧することができます。176品のレシピが掲載され、ジャンル別絞り込みでは、主食(米、パンなどの種類別)、主菜(肉、魚などの種類別)、副菜、汁物、デザートと飲み物などで絞り込みもできます。 ◎抗がん剤・放射線治療と脱毛ケア 治療が体毛に及ぼす影響とその対応で構成され、かつらのつけ方やお手入れの方法、スカーフなどの巻き方は、動画で確認できます。 ◎抗がん剤治療と副作用対策 抗がん剤の副作用と吐き気・おう吐など副作用症状にあわせた対策について、わかりやすいアニメーションの動画でみることができます。 ◎がん手術後のリンパ浮腫(ふしゅ) リンパ浮腫(ふしゅ)の概要と対処法について、映像と音声で見ることができます。 ◎胃を切ったら〜胃切除後障害と上手に付き合うために〜 胃切除後におこってくるダンピング症候群、逆流性食道炎などの障害とその対策について、静岡がんセンターで実施された患者・家族集中勉強会での講演のビデオをみることができます。 ◎がんで「こまった」がんを「知りたい」 胃がんと診断された旦那様の奥さまの架空ブログ(登場人物はすべて架空のもので、実在しません)という形式で、場面ごとに関連するさまざまなQ&Aを紹介しています。 |
【気分のよい時に、食べられるものを食べる】
治療中は正常細胞へのダメージも強く、通常よりもエネルギー量を必要とするため、体力を維持するための食事は重要です。けれども、栄養面や体力にこだわりすぎていると、食べることが「義務感」となり、かえって苦痛になってしまいがちです。
食事の基本的なルールはあまり気にせず、気分のよい時に食べられるもの、好きなものを食べるという気持ちをもちましょう。
1. 食べやすく、栄養をとりやすいもの
(1) もち・おはぎ
エネルギーにもなり、比較的消化のよい食品の一つにもちがあります。もちは粘りけがあり、のどにつかえやすいので、つかえないように食べやすい大きさに切って調理するなど工夫をしましょう。
大根おろしや削り節、きな粉にからめて食べたり、お雑煮やお汁粉のように煮込んで食べたりするのもよいでしょう。また、エネルギーを更にたくさんとりたい時は、揚げもちにするのもよいでしょう。
(2) 汁物
手軽にたくさんの種類の食品をとる方法として、みそ汁やスープのような汁物をおすすめします。いろいろな食品を一緒にとることで、相互作用が引き出され栄養価が高まります。また、温かいスープや冷たいスープなど工夫して食べてみましょう。
(3) カレーライス・めん類・酢の物
香辛料や味の濃いもの、酸味などで食欲を刺激することもあります。
(4) プリン・茶碗蒸し・豆腐・山いも
食べられるようであれば、たんぱく質が多く含まれている食品を加えるとよいでしょう。また、のどごしを良くするのも、おすすめです。豆類、鶏肉、卵などが比較的加えやすいといえます。
(5) 季節のくだもの・野菜ジュース
何種類かのくだものや野菜を組み合わせて、効率よく栄養をとることができます。旬のものなどを取り入れ、おいしく飲みましょう。ただし、あまり甘くしすぎないように気をつけましょう。
※ イレッサ服用中は、グレープフルーツジュースを控えてください。
◎ 患者さんの声
『のどごしのよいもの、冷たいもの、酸味のあるもの、味付けの濃いもの、食べやすいもの』などが、比較的皆さんに好まれています。 (※ 個人差があります)
2. すぐに食べられる工夫
食事の時間にこだわらず、「今なら調子も少し良いし、食べられそう」というように、自分の身体やこころに問いかけて、気分のよい時にすぐに食べられる工夫をしましょう。
○ 好きなものや食べられそうなものをいつも近くにおいておくと、気分のよい時にすぐに食べられます。
○ おむすびやおかずを小分けにするなどして、冷蔵庫や冷凍庫に入れておくと、食べたい時に電子レンジで温めれば、すぐに食べられます。また、気分のよい時に作り置きしておくとよいでしょう。
○ 食べられそうなものや食べやすかったものを覚えておいたり、作る人に伝えたりするとよいでしょう。

【口に合う、たんぱく質豊富な食品をさがす】
患者さんの多くは食欲不振などの症状から低栄養状態になり、食べやすいものとして糖質系(めん・パン・くだものなど)が中心になりがちです。そのため、たんぱく質の補給がとても重要になります。
けれども、実際にはたんぱく質を多く含む食品は、においなどから敬遠されがちです。患者さんの口に合うもので、たんぱく質が豊富に含まれる食品を探してみましょう。
1. チーズ
料理にのせて焼いてみましょう : パン・ハンバーグ・ホットドック・ピザ・肉・魚・野菜・卵
すり下ろして料理にかけてみましょう : スープ・ソース・グラタン・野菜・マッシュポテト・パスタ
サラダに混ぜてみましょう
料理に加えてみましょう : パスタ・オムレツ・炒り卵・カレー
おやつに加えてみましょう : チーズケーキ・ホットケーキ・クレープ
2. 牛乳・ヨーグルト
飲み物や料理に使ってみましょう : カレー・シチュー・グラタン・卵焼き・スープ・ホットケーキ・ヨーグルトサラダ
インスタント食品に加えてみましょう : シリアル(コーンフレーク)・スープ・ココア
その他 : ドレッシング、魚や肉の下味、ヨーグルトシェイクやヨーグルトアイスなどデザートに
3. 豆・豆腐
煮たり裏ごししたりして食べてみましょう : 茶碗蒸し・あんこ・プリン
料理に加えてみましょう : カレー・グラタン・ハンバーグ・煮物・炊き込みご飯
【食感的・視覚的な工夫】
食欲は食べる場所や雰囲気などによっても変わります。庭やベランダなど、いつもと違う場所での食事や、家族・友人と楽しく食事をするなど、気分を変えてみるのも食欲増進に効果的ですので、いろいろな工夫をしてみましょう。
1. 食感的な工夫
温かいものよりも、冷たいものの方が比較的食べやすいと感じられます。冷たくてもおいしく食べられるものを、メニューに取り入れてみましょう。
2. 視覚的な工夫
付け合わせや食器の柄などの色も食欲を増す効果があります。付け合わせは、食べられずに残すことになっても構わないと割り切り、それがあることで少しでも食べたいという気持ちにつながると考えるようにしましょう。
また、盛り付け方も工夫してみましょう。大きな器にたくさん盛り付けてしまうと、「こんなに残してしまった・・・」とか「これだけしか食べられなかった・・・」などと思ってしまうので、少しずつ盛り付け、いろいろな種類を用意してみるのもよいでしょう。

ご意見・ご感想
この項目に関連する悩みと助言
診療を受ける
日常生活を送る
社会生活を送る
人とのかかわり
こころの問題